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オレ達はとりあえずコーヒーを注文する。
「お嬢ちゃんはご新規様だからね、コーヒーはサービスだ」
なんて言って立華さんの分のコーヒーをサービスしてくれるマスターの粋な計らい。
将来はここに拾ってもらうのも悪くないと思ってしまう。
オレ達が着いて15分くらいしてから再びドアが開き、からんころんとベルが鳴る。
「お、眼鏡と忍者と五段じゃねえか」
「どーもマスター」
マスターに眼鏡と言われたのが高松で、忍者と言われたのが椎名、五段と言われたのが松下五段。
みんなは敬意を払ってそう読んでいる。
「おや、日向さんに音無さん……我々より先に来てる人がいましたよ、松下五段」
眼鏡をいちいち持ち上げて話すのはいいが、こいつは実はバカだという事を忘れてはいけない。
「おっ、ほんとだ。絶対に一番だと思ったんだけどなー、はっはー」
「……不覚っ」
不覚って椎名、何が不覚なんだよ。
集まる時には一番に集まらなきゃ気が済まないタチか?
「日向さんの隣の席はゆりっぺさんの指定席ですから空けておきますか」
ゆりがいつも座る席は一番角にある。
そこに座らないのが暗黙の了解になっており、座るとコーヒーにタバスコを混ぜられたりとか地味な仕返しを受ける。
今来た3人は隣の四人掛けテーブルに席を一つ空ける形で座った。
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