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「さて、本題に入るわよ」
ぜいぜい言っている日向を尻目にゆりが話し始める。
一同が見つめる中、彼女の口から発せられた言葉は――。
「戦線、作るわよ」
「は?」
オレは思わず声に出してしまった。
だってなぁ……なんだよ「戦線」って。
「軍隊に入れということでしょうか?」
「それともどっかの不良軍団と抗争でもするのか?」
高松と野田が思わず尋ねた。
「違うわよ。そんなぶっそうな話じゃないわよ」
一蹴。
違うのか。高松と野田はいいセン行ってたと思ったんだけどな。
「ユイにゃん、怖いのは苦手ですぅ~」
「けっ、ぶりぶりしやがって。全くなんでこんなやつがここに……」
復活しかけた日向が先ほどの恨みを込めて愚痴る。すると。
「テェメー!!ユイにゃんがぶりぶりしてるだとー!!かわいいだろうが!!初対面の人間に向かってそんな口聞いていいのかオラァ!!」
と、ユイが飛びかかりコブラツイスト。
「いてえぇぇぇ!!てめえこそそれが初対面の人間に対する態度か!?先輩だぞオレは……」
「関係ねえぇぇ!!」
「ねえのかよぉぉぉ!!」
ぐきっ。
あっ、痛そうな音が。
「腹減ったな。マスター、肉うどん一つ」
と松下五段。
「あ、じゃあ僕も」
と大山。
「ブログでも更新しますか」
と竹山。
「PSPでもやるかぁ」
と藤巻。
「素振りでもするかな」
と野田。
……いや、素振りはやめとけよ。危ないし。
なんだか、がやがやとし始めてしまっている。
はっとゆりを見ると、ぷるぷると小刻みに震えている。
これはやばいぞ。
オレがみんなに注意しようとしたその時――。
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