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「こぉらー!!てめぇら、静かにしろー!!」
オレは耳が痛くなるほどのゆりの怒鳴り声を超至近距離で受けて、目眩を催した。
周りの他のお客さんもびっくりした様子でこちらを見てくる。
当たり前か。
「お前が静かにしろ」
マスターが肉うどんを運んできたお盆でゆりの頭をぼんっと叩く。
「うっ……すいません」
それを見ていたオレ逹は静まり返った。
ゆりに怒鳴られるのも嫌だし、マスターに叩かれるのも嫌だから。
「えーと、改めて」
こほんとゆりが一つ咳払いをする。
「戦線ってのは名前ね、団体名。学校否認の非公式サークルみたいなのを作るのよ」
「それはなんでだ?それに何をするんだ?」
岩沢が問う。
確かに必要なのか?そして何をするんだ?
「それはこれから考えるわよ。まぁ奉仕活動をしたり、学校を困らせたり……色々ね」
なんだそれ。
要は学校に縛られずに為になることをしたり邪魔したりするってことだろ。
「だってみんなでやった方が楽しいでしょう?」
ゆりがオレの顔を見て言ってくる。
「まぁ確かにな……でもなんだ?戦線って」
「かっこいいからよ」
かっこいいのか?
これはかっこいいのか?
自分のセンスに自信が持てない。誰か教えてくれ。戦線はかっこいいのか。
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