573人が本棚に入れています
本棚に追加
「あさはかなる戦線」
「弱点しかないみたいじゃない」
「肉うどん戦線」
「松下君、全員の好物が肉うどんな訳じゃないのよ」
「無敵の戦線!!」
「いいやフジツボ戦線!!」
「あんたたち真面目に考えなさい!!そんなんじゃ世間体が……」
ゆりが完全に怒っている。
そもそも世間体を気にするべき集団なのかどうか疑問なのはオレだけなのか?
比較的常識あるガルデモの皆さんは(ひさ子を除き)苦笑いしてるぞ?
「世間……」
「え?どうした?立華さん」
立華さんがぼそっと呟いたのでそちらを見ると、彼女はまるで問題を答えるかのように挙手していた。
「世間を騒がす戦線」
どんちゃん騒ぎだった連中が一瞬で静まり返り、立華さんの方を向いたゆりの瞳がきらきらと輝き始める。
「……それ、いいわね」
おい……まじかよ。
「世間を騒がす戦線!!いい!!あたしが目指す理想の戦線の形に沿ってるわ!!それに頭文字も全部S……そうよ略して『SSS』なんてどう!?いいじゃないSSS!!かっこいいわ!!」
ゆりが歓喜の声を上げる。大丈夫かこいつ、壊れてないか?
「確かにいいな!!SSSって」
とアホ日向。
「なかなかのセンスじゃないのか?」
とアホ松下五段。
「ゆりっぺが決めたならそれでいい」
とアホ野田。
アホの巣窟からは賛成の声がどんどん上がっている。
「奏ちゃん!!あなた天才ね」
立華さんの手をぎゅっと握り、本当に感謝した様子のゆり。
そんなに気に入ったのか、この名前。
「音無君はどう思う?」
「まぁお前がいいならいいんじゃないか。他に誰も反対してないし」
反対する理由もないしな。
「ユイにゃん戦線がいいですぅ~……」
いや、一人反対してる中学生がいたようだ。半泣きで。
-ともあれ、こうして結成された「世間を騒がす戦線」、略して「SSS」だが一体これから何をするんだろうか。
余談だが、半泣き状態だったユイは岩沢になだめられ、戦線名をしぶしぶ了承したようだった。
.
最初のコメントを投稿しよう!