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で、旧館二階階段踊り場。
オレ達三人が着いた頃には他のメンバーもほぼ揃っていた。
野田、松下五段、高松、椎名、TK。
そこには日向と立華さんの姿も。
「なんだ日向、もういたのかよ」
「ゆりっぺによ、ホームルーム終わったらソッコーで拉致られてよ。目印として連れてこられた」
「立華さんもか?」
「ええ」
なんて人使いの荒いヤツなんだ。
「大方揃ってるわね」
すると階段の上に腕組み仁王立ちのゆりがさっそうと登場した。
「ゆりっぺ、いったいなんなんだ?こんなところに呼び出して。しかも全員……」
野田は相変わらず他に人がいるのが悔しいようで、眉間に激しくシワを寄せている。
「何を隠そう……戦線本部のお披露目会よ」
一同にざわめきが生まれる。
本部だって?昨日の今日でか?
「こっちよ、ついてきて」
オレ達は言われたままについていくと、校舎三階の端の行き止まりまで連れてこられた。
「ここが本部?たむろぐらいしかできねーじゃんか、拍子抜けだぜ」
日向がやれやれといった感じで息を吐く。
「アホね、そんなわけないじゃない。ここよ、ここ」
「ここは……校長室?」
「そう、旧校長室よ。ここならどんな部活も使わないでしょう?」
確かにここなら校舎の端だし、人に知られる可能性はそんなに高くないかも知れない。
それなりに考えてるんだな。
「ようこそ、世間を騒がす戦線へ」
こうして、オレ達の戦線ライフが幕を開けた。
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