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♯♯♯
毎度お決まりのパターンで始まる奇妙な体験。
俺は全力で駆けている。
タバコ屋コンビニ喫茶店。見慣れた風景が過ぎる。
一体何を急ぐのか。一体何を求めるのか。
分からない。ただひたすら駆けていく。
どれぐらいたっただろうか。閑静な住宅街の一角。一人の少女の後ろ姿があった。
体は吸い寄せられるようにその場所へと向かう。
しかしある一定の距離まで近づくと、見えない何かがそこにあるかのように動けなくなった。
ふと、少女がゆっくりと振り返る。
目を凝らすがしかし、その表情はぼやけていて読み取ることができない。
少女の唇が微かに動いた気がする。何だ?
……少女への一歩が踏み出せない。体中が金縛りのように硬直する。
ーー途端に視界が白一面で覆われ、いつも通りの魑魅魍魎な夢は終わりを迎えた。
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