見知らぬ彼女

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「マジかよ!? 神内が間に合ったぞ」 「くそ、スカった」 「やった!大穴だぜ」 「番狂わせが起きたな」 「今日は厄日か?」 なんて奴らだ。朝っぱらから人をギャンブルの対象にするとは……きっと将来はまともな大人にはならないだろうな。 「よう健人。さすが俺が見込んだ男だ。お前に賭けて良かったよ」 席で体力の回復作業に勤しんでいた俺に不快な言葉をかけてきたのは、親友(仮)の佐山だった。 ーー佐山祐介。一応武士の情けで友達の一人に数えている奴だ。その憎らしい端正な笑顔は、何故か女子に絶大な人気を誇る。 しかし!しかしだ!! コイツの本性はただの馬鹿だと俺は確信している。 頭の中では常に桃色のお花畑が広がっており、広辞苑で佐山祐介と引けば青春病と出てくるのは有名な話だ。
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