本棚

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画ビョウが見あたらない。 もっと奥まで入ってしまったのだろうか。 仕方ないので諦めて、落ちたカレンダーをテーブルに置き、本棚から“ある日のうた”と“小さな小さな王様”を取り出して読み始めた。 2冊とも結構お気に入りで、何回読んでも面白いと思う。特に“小さな小さな王様”はかなりの頻度で読んでいるに違いない。 読み始めて10分もしないうちに、落ちたカレンダーと画ビョウのことを思い出した。 もう一度画ビョウを探してみようと腰をあげ、お母さんが茶碗を洗っている音を確認し、てのひらを縦にして隙間に入れた。 違和感。 てのひらを縦にしたはずなのに、中で手が自由に動く。 壁との隙間がなくなったみたいな感じ。 ここに壁があるはずなのに、ない。 壁が、ない。 いっかい手を抜いてみて、もう一度入れた。 やっぱりそうだ。 中が広くなってる。 壁は? 壁はどこにいったんだ? もう一度手を抜いてから、本棚と壁の隙間を覗いてみた。 でもなにもない。 壁は? 画ビョウは?
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