結成! 最強コンビ

10/11
前へ
/50ページ
次へ
「やはりそうか! その服装、少し変わってはいるが魔術士の服装に似ているので、もしかしたらとは思っていたが──」  ファ、ファンタジーじゃ、パジャマって魔法使いの服なわけ……? 「なるほど、そういうことか……」  うーん、納得してくれたのはいいけど──あたしとしては、魔法使いより女剣士の方が良かったのになぁ……  ラーサは剣を鞘に納めると、側にきて手を差し出して、 「立てるか?」  あたしはこくんと頷いて、彼の手につかまって立ち上がった。 「魔王はなにやら怪しい儀式を行うため、特に魔力の高い者の魂を集めていると聞く」 「え?」  なにそれ? あたし、そんな設定した覚えない…… 「きみが魔王に狙われているのも、それで納得がいく」  うう、魔王のやつぅ、作者のあたしをさしおいて、好き勝手やってくれちゃって……  ま、いっか。 「あ、あの、ラーサ、もう一度お願いしたいんだけど、一緒に……旅してもらえないかな?」  あたしが言うと、ラーサは、今度はすぐに否定をしなかった。 「あ、ほら、ラーサが、危険な旅をしているのはわかるけど、あたしも、魔王に狙われてて、結構危険な旅をしているの。だから、一人で旅をするより、二人の方が、何かと助けあえるし、それに、楽しいし……」  あー、なんかあたし、メチャクチャな理由言ってる! 「ミオリ、実は、僕は魔王を退治するための旅をしているんだ。ティアも本当は魔王にさらわれた……」 「ええ?! そうなの?!」  なんて、大げさに驚いて見せたりして。  ──ホントは知ってたけど…… 「だから、魔王は僕が必ず退治する。  そして、人々が──キミが安心して暮らせる世界にしてみせる!  だからそれまで──」 「いや!」  あたしはきっぱり言った。
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加