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「やはりそうか! その服装、少し変わってはいるが魔術士の服装に似ているので、もしかしたらとは思っていたが──」
ファ、ファンタジーじゃ、パジャマって魔法使いの服なわけ……?
「なるほど、そういうことか……」
うーん、納得してくれたのはいいけど──あたしとしては、魔法使いより女剣士の方が良かったのになぁ……
ラーサは剣を鞘に納めると、側にきて手を差し出して、
「立てるか?」
あたしはこくんと頷いて、彼の手につかまって立ち上がった。
「魔王はなにやら怪しい儀式を行うため、特に魔力の高い者の魂を集めていると聞く」
「え?」
なにそれ? あたし、そんな設定した覚えない……
「きみが魔王に狙われているのも、それで納得がいく」
うう、魔王のやつぅ、作者のあたしをさしおいて、好き勝手やってくれちゃって……
ま、いっか。
「あ、あの、ラーサ、もう一度お願いしたいんだけど、一緒に……旅してもらえないかな?」
あたしが言うと、ラーサは、今度はすぐに否定をしなかった。
「あ、ほら、ラーサが、危険な旅をしているのはわかるけど、あたしも、魔王に狙われてて、結構危険な旅をしているの。だから、一人で旅をするより、二人の方が、何かと助けあえるし、それに、楽しいし……」
あー、なんかあたし、メチャクチャな理由言ってる!
「ミオリ、実は、僕は魔王を退治するための旅をしているんだ。ティアも本当は魔王にさらわれた……」
「ええ?! そうなの?!」
なんて、大げさに驚いて見せたりして。
──ホントは知ってたけど……
「だから、魔王は僕が必ず退治する。
そして、人々が──キミが安心して暮らせる世界にしてみせる!
だからそれまで──」
「いや!」
あたしはきっぱり言った。
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