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夢だから、イメージすればでてくるかな?
よし、やってみよう。
えっと、剣、剣……
うーん、どんなデザインがいいかなぁ、やっぱ女の子らしい、可愛いのが──あ、でも、あまり可愛らしくても、相手に馬鹿にされそうだし──
「ミオリ、危ない!」
気が付いたら、目の前にオークのでっぷりとしたお腹があった。
見上げると、ボコボコの金属バットみたいのを振り上げてる。
武器も服もさっきのとは違う。
──もう一人いた?!
「きゃあぁぁっ!」
あたしったら、首をすくめて目を閉じ、悲鳴を上げることしかできなかった。
でも──
いくら待っても、予想していた衝撃はなかった。
恐る恐る目を開けると、金属バットを持ったオークは、跡形もなくきれいさっぱりと消えていて、かわりにラーサがそこに立っていた。
はあ、びっくりした。
ほっとしたら、急に力が抜けて、あたしはその場に座り込んでしまった。
まだ心臓が踊っている。
あ! いっけない、お礼言わなきゃ。
「え、えっと、ありがとう……」
「い、いや、僕じゃない……」
「え?」
「突然、光ったかと思ったら、モンスターが消えてしまった……」 げっ?! も、もしかしてあたし、咄嗟に消しちゃった?
「きみの力じゃないのか?」
「え? あ、えっとぉ──」
ど、どうしよう、やっぱ本当のことは話さない方がいいよねぇ?
自分が、想像の中の住人だって知ったらショックだろうし、それ以前に信じてもらえないだろうし……
「もしかして、きみは、魔術士なのか?」
「へ? あ──う、うん、実は、そうなの!」
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