1人が本棚に入れています
本棚に追加
登り坂を駆ける自転車
先は見えない
坂は終わらない
夜の道を照らすチャリライト
闇に溶け込み
坂は終わらない
ライトが照らすのは
少しの範囲だけ
それだけ見えたって
不安になるだけだよ
耐えられないよ
見えない声
見えない視線
分からないよ
僕の行き先
ライトが照らしてる
少しの範囲を
無灯火の自転車が
不意に横切り
ブレーキを握りしめると
暗闇に包まれた
まるで消えてしまったようだ
闇に溶けてしまったようだ
僕を構成するものが
儚く崩れたようだった
耐えられないよ
また坂を登る
ライトの光
あたりを照らす
それはまるで
命が生まれたようだった
ライトが照らせない
範囲は見なくていいよ
坂を登れば
太陽より眩しいはずさ
最初のコメントを投稿しよう!