魔法の書物

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「真司、あたしの名前はわかっていると思うが、デュオだ」 その少女はいきなり自分の名前を名乗り始めた。 「そして、この本に封印されている悪魔でもある」 とわけのわからないことを、続いて言い始める。 普通の人がいきなりそんなことを言ったら、誰も信じないだろう。 しかし、卵からいきなり出て来た、黒い翼の生えた小さな小さな少女。 その少女の言ったことなら、悪魔と言われても少しは納得できる。 僕自身、悪魔かと思ってもいたしな。 「で、この本なんだけど、なんて言えばいいのかな…」 と少女は少し悩む。 「わかりやすく簡単に言えば、魔法の本。ちょっと難しく言うと、この本の所有者は、本に封印されている悪魔の力を借りることができる、って感じかな?」 魔法の本? 悪魔の力? わけのわからないことだらけだ。 「まぁ、多分理解できないよな。大体このシステムが間違ってんだよ。魔に関する知識も全くないやつをいきなり所有者にするなんて…」 最後の方は何に対するものかわからない愚痴になっていた。
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