魔法の書物

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「うん」 「で、あたしのいる世界からこっちに来るには、いくつか条件があるんだ。その条件の一つが本になること」 らしい。 何故本にならなくてはいけないのか 何をしにこちらの世界に来るのか 聞きたいことは、増えてゆく一方だが、その少女の話はまだ続いていたので、とりあえず最後まで聞くことにする。 「本に自分の魔法の力をほとんど封印するの。だから封印されてるのは、あたしじゃなくて、あたしの悪魔としての力。で、二つ目の条件が人間の契約者、つまり本の所有者を作ること」 どうやら僕は、デュオがこちらへ来るための、その二つ目の条件の対象になったようだ。 「ちなみに、あたし達悪魔が人間を選ぶことはできない。だから、真司がこの本を拾ったのはただの偶然」 一段落したようなので、僕はまた質問をする。 「なんでそんな決まりがあるの?」 「なんでって、あたし達がこっちの世界で自由気ままに力を使ったらめちゃくちゃになるよ?」
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