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悪魔というくらいなのだから、それくらいは想像はできた。
「その決まりは誰が作ったの?」
「ずっと昔に、悪魔と人間によって決められた契約。人間の方が世界をめちゃくちゃにされて、困ってできたものだよ」
悪魔と人間によってって、人間の方が力がなく、弱いのではないのか?
その状態でよくそんな契約ができたものだ。
「他に聞きたいことは?」
「ごめん、あと二つだけいいかな?君、デュオがこっちに来た理由と、この本の力の使いかたを教えてほしいんだ」
本当は他にも色々と聞きたいことはあった。
が、少女は不機嫌そうな顔をして言ったため、僕は聞きたいことを二つだけに絞った。
「あたしがこっちに来た理由?そんなのただの観光だよ」
少女は、まるで他の国の観光スポットに行くような軽さで言った。
「観光?」
「そう、観光。お前たちの世界じゃ、悪魔なんて存在やあたし達の世界のことなんて、信じてないやつばっかでしょ?」
「うん、そうだね」
今の時代に悪魔や悪魔のいる世界などを、本気で信じている人などほとんどいないであろう。
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