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「最初はそんなのできないから、おとなしく口で唱えて。呪文は大体この本に書いてあるからさ」
と少女は机の上の本を指指しながら言った。
指指した少女の手には、先程の火の玉はもうなかった。
「今のはね、確か三ページ目に書いてあったかな?」
と言われたので、僕はその本の三ページ目を開いた。
そこの一番上に、灯の法と書いてあり、その下に呪文と思われるものが書いてあった。
僕は少女がやったように右手を水平に上げ、手の平を上に向けた。
そして、唱える。
「我、悪魔デュオの契約者、佐久間真司。我が名において命ずる。燃え盛る火の精よ、我に力を貸し給え」
同じように、そこで一度区切りドキドキしながら
「灯よ我が手に灯れ」
と唱えた。
するとさっきと同じように、僕の手の平に火の玉が出来上がった。
少女の手より、僕の手のほうが遥かに大きいので、その火の玉も手のサイズに合わせて大きくなっていた。
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