魔法の書物

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僕が今いる場所。 それは床は石でできていて、模様のようなものが描かれている。 周りに壁はない。 だが、あまり先の方は見えず、黒い景色が広がっている。 床が正方形になっていることだけはわかった。 正方形の石の床の四隅にはそれぞれ燭台があり、その台の上にある蝋燭には火が灯っていた。 いったい何が起きた? 僕の頭はパニックになっていた。 そこに 「その書物、破棄することを禁ずる。」 ととても低い男性のものと思われる声が響いた。 書物? いったいなんのことだ? 僕が今捨てようとしてたのは、この紙……? そう考えて僕は気付いた。 先程まで持っていた紙が、一冊の本になっていることに。 「一度目は警告である。二度目は、ただの警告ではすまないぞ」 と、また同じ声がした。 その声が聞こえ終わると、さっきと同じようにまた景色が変わる。 そして、僕はいつもの見慣れた光景に戻ってきた。 手に持っていた紙はこの光景に戻っても、本のままであった。
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