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「京さん、今日はどこに行くんですか？」
助手席から何ともなしに流鬼の言葉を聞いて、
「んー」
と言葉を濁らせた。
特にどこかへ行こうと決めてたわけやない。
流鬼は、どこかに行きたいとも言わへんから、僕も気の向くままに車を走らせる癖があった。
「…散歩しよか」
「は？」
不意に思い付いた「散歩」。
きっかけは歩道を歩く老夫婦やったんやけど。
案の定流鬼が、ワケの分からないといった疑問符を投げてきた。
「嫌か？」
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