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流鬼が嫌な事を強要なんかせえへん。
嫌やって言うんなら別の事でもええ。
だけど流鬼は、僕の言葉にふわりと微笑んだ。
「いえ…京さんが散歩したいなら、俺は構わないですよ」
そのセリフに内心キュンとしてしまう。
ほんまに、弱いんよな…。
車を、目についた手頃な公園の駐車場へ停めて、流鬼より先に降りた。
今日僕は、一歩踏み出すって決めてたんや。
やから…。
「ん、」
降りてきた流鬼に手を差し出した。
普段やらへんから、流鬼の顔が疑問の表情になる。
根気よく待ってると、遠慮がちに流鬼の手が僕の手に重なった。
迷わずぎゅっと握って歩き出した。
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