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途端、にやっと流鬼が笑った。
こうされると嬉しいのか、なんて思いながらも、素直に喜べない僕は。
「気持ち悪いわ」
そんな悪態をつく。
それでも流鬼は嬉しそうな顔をやめない。
のんびり、流鬼の手を引いて、子供の笑い声を遠くに聞きながら、人気のないベンチを見つけて二人で座った。
「穏やかやなあ」
「…ですね」
さっき見た老夫婦も、こんな風にベンチに仲良う座ったんやろか。
僕と流鬼も、あんな風に年老いていけるやろか。
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