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手を握られるなんて。
嬉しくて、ちょっと恥ずかしくて、へらっと笑ってしまった。
「気持ち悪いわ」
毒を吐き出しながらも、京さんは俺の手を引きながらゆっくりと歩き出した。
まるで、守らなければならない存在かのように、俺を後ろにしてゆっくりと。
子供の喧騒を微かに聞きながら、あまり人のいない広場に設置されたベンチに座った。
「穏やかやなあ」
「…ですね」
まるで老後の夫婦みたいに、静かに二人並んでベンチに座った。
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