接触

5/13
前へ
/27ページ
次へ
手を握られるなんて。 嬉しくて、ちょっと恥ずかしくて、へらっと笑ってしまった。 「気持ち悪いわ」 毒を吐き出しながらも、京さんは俺の手を引きながらゆっくりと歩き出した。 まるで、守らなければならない存在かのように、俺を後ろにしてゆっくりと。 子供の喧騒を微かに聞きながら、あまり人のいない広場に設置されたベンチに座った。 「穏やかやなあ」 「…ですね」 まるで老後の夫婦みたいに、静かに二人並んでベンチに座った。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加