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「本当だな?」
「も、もちろん!」
絶対忘れてたな。
「わかった。とりあえず枷外してくれ」
母はうん、と返事をするとすぐに枷を外した。
ようやく体が自由になったな…
とやかく言うつもりはないが、もうちょっとこっちの事も考えて欲しいものだ。
首まで固定されてるから苦しいのなんのって。
「じゃあ俺先上行ってるから」
「はーい」
何故上かって?
この手術室は俺の家の地下にあるからさ。
普通の民家に地下ってなんだよ…しかも手術室って…
考えても意味がないのでさっさと上がる事にした。
「おはよう」
俺は既に起きていた弟、亮那(りょうな)に挨拶をした。
「おはようーまた新薬?」
「ああ…」
「お疲れ様。朝食宜しくね」
はいよ、と軽く返事してキッチンへ。
何故俺が作るか。
だって母に作らせたら知らず知らずのうちに薬を混ぜ込まれてる可能性があるからだ。
実際それで一回死にかけたし。
あの人の料理は毒味しないと食べれん。
そんなこと考えてる間にささっと朝食を作り上げ、食卓へ。
「どうぞ召し上がれ」
「待ってました~♪」
亮那のとなりにはいつ上がってきたのか、母が座っていた。
そんな二人に朝食を与えてから、俺は二度寝する事にした。
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