たかやま

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なあ、見てるか? 俺、歌手になったよ? 夢叶ったんだ。 お前と見てた夢が――― なのに、 「なんで、お前は…俺の隣にいないんだよ。」 一年前、アイツは、俺が好きな星になった。 歌手を目指してた俺、叶わないとぼやいてた俺を支えてくれたアイツは、死んだ。 俺は、アイツに何してあげれただろう。 何してあげれなかっただろう。 胸の奥に眠る記憶を叩きだしても、出てくるのは、楽しい思い出と涙だけ。 それでも、愛してた。 それだけだったけど、 今でも、アイツを愛している。 思い出した記憶の中で、星が綺麗な夜空を見上げる俺達。 アイツと俺は、こんな未来を思い浮かぶわけもなく、俺の夢を星に願ってたね。 今、思えば ずっと、二人で居れるように願えばよかった。 でも、神様なんかいない。 アイツが死んだ時、俺はそう誓ったんだ。 「涼介を、助けてくれよ…。」 涙ながら神様に願ったのに、 アイツは、星になってしまったんだ。 だから、神様に願わないで、 星のアイツに誓うんだ。 「俺は、お前をずっと愛している。」 だから…、 「お前は、俺の事をずっと、見守っていてくれ。」 俺は、一人じゃないんだ。 俺は、アイツの分も生きなくちゃならない。 「なあ、涼介…俺、頑張るよ。」 見上げた星が、返事をするように光ったのは、俺の気のせいなのかな? fin..
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