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精一杯の伸びをして、壁に掛けてあった制服を手にとる。
今までと違う制服か。
少し緊張するな……。
今日は高校の始業式なのだ。
俺は制服に着替え、一階に下りる。
一階には既に制服に着替えてパンを食べている夏美の姿。
「あっ……。」
俺に気付いてこちらを見た瞬間、少し驚いた。
「今日から高校生なんだもんね。同じ高校の制服着てたからびっくりしちゃった。」
そう、今日から俺は夏美の通っている高校に通う。
偏差値はまぁまぁ高め。
バカの俺からしたら、まぁまぁなんてものじゃないがな。
中3になってから必死に勉強して、合格した。
多分あれほどの本気は一生で1、2回しか出せないだろう……。
「今でも不思議。あれだけ勉強嫌いだったシュウが『家から近い』ってだけでウチの高校狙うなんてね。」
少しいたずらっぽく笑う夏美。
「家から15分だし。」
俺は短い返事をする。
でも、この理由は嘘。
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