第一章

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俺は夏美と一緒に家をでた。 ちなみに両親は家にいない。 母親は俺が3歳の頃、事故で死んだ。 父親は外国で働いているため、帰ってくることは少ない。 と、急に夏美が口を開いた。 「一緒に登校するなんて久しぶりだね。」 「いや、一緒に登校しなかったのは1年だけじゃないか?」 嬉しいのに、素直に口に出せない俺。 本当は、『一緒に歩けて嬉しい』とか言いたい。 「あ、そっか。」 夏美はそうだったねと言いながら笑った。 俺達は一つしか歳が離れていない。 だからなのか、俺は夏美を異性として見てしまっている。 最悪な弟だ。 少し俯きながら歩いていると、不意に誰かの声がした。 .
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