失って始まる砂時計

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自室で凛音(りおん)は特に何かをするのでもなく、ただ床に座り込んでぼーっとしていた。 あの日のことを考えているのだ。 唯一の肉親‥父を亡くした日のことを…。 自家は朝廷から認められている神社だ。 あの日の夜は、朝廷からの依頼で、都人からの情報を頼りに物怪退治に出掛けた。 そしてその退治に失敗して父は帰らぬ人となったのだ。 朝廷のお墨付きなだけあって父の力はとても強い。 それなのにあの父が殺られるとは一体どんな物怪だったのだろうか…? 父が出掛ける最後の時に感じた焦燥感…
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