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「………ごめんね……」
葵は目に大粒の涙を堪えて、口を開いた。
「咲良、ごめんね…!!
今まで…どんな気持ちで……
私、咲良の気持ちに気付きもしないで……
泉に恋人が出来て泣いた時も、泉にバレンタインのチョコ作る時も…
今年は18回も失敗して、それでも咲良は失敗したチョコ、全部食べてくれたよね……」
「当たり前だろ。好きな女のチョコ18回も食べれるんだぞ。嬉し過ぎるだろ」
「でも咲良鼻血出してたじゃん」
「それは男の勲章だろ」
何故か逸れてしまった会話に二人して泣きながら笑った。
「でも…
咲良、ありがとうね。
ずっと好きでいてくれてありがとう……
私のいい所を見つけてくれて、ありがとう……」
それから、俺達は涙を拭いもしないで笑った。
何が可笑しいのか分からない…
多分俺達は違う気持ちで笑っただろう。
だけど回した腕に力を入れた時、葵が抱きしめ返してくれるのが……嬉しかった。
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