壱夜 「過ぎた力」

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―???―  満月が夜を照らすとき、 「……何時までついてくるつもりだ?」  黒髪のセミロング、紅眼で黒いシャツに黒いズボンを着た少年は突然後ろを振り向いてそう言った。 「ちっ……何時からバレてた?」 「さぁな、覚えてない。……で、たかが下級妖怪如きが何の用だ?」  そこには黒いコートを着た巨漢の男にそう聞いた。 「てめぇの命を奪いに来た。それだけだ」  それから男は懐からダガーを取り出す。 「へへ……悪く思うなよ……オラァ!」  それだけ男は言い、そのまま少年に向かっていく。 「っ!……お前じゃ俺は倒せないよ」  少年は腰に着けた鞘から刀を取り出してそれを防ぐ。 「それじゃ、頂きまーす」  それを防いだ後にそのまま受け流す。そして男がよろめいた瞬間、 「うぐっ! う、腕がぁ!」  刹那、そのダガーを持つ男の右腕が切り落とされていた。 「まずは一本」  そのまま、次は左腕を切り落とす。 「二本」  そして方向転換、左足を切り落とす。 「三本」  男が体勢を崩し、その時にすぐさま右足を切る。 「四本」 「こんなに強いなんて……聞いてねぇぞ……!」  最後に横たわる胴体と首。 「はい、おしまい」 「うがぁああああ!」 「はぁあ……全く、しつこいねぇ……」
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