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そこは一階にも増して薄暗い部屋だった。
俺らは、周りの様子に気をつけながら、歩みを進めてゆく。
すると一つの巨大な白い扉と、その両脇からこちらを眺めてくる人物に気がついた。
「……やっとお出ましか」
「待ちくたびれたよ、チート君。いや、冥界からの勇者」
そこに待ち構えていたのは、予想通り氷姫、アイスとその仲間の男、フィアだった。
あの雪の村であった二人だ。
強力な力を持ち、天使教団と名乗っていた。冥界で言われた天使と関わりがあると思っていたが、当たりだったみたいだ。
「とりあえず、フィア。姫様をどこにやった?」
「答えると思うのかい?」
ふざけた様な答えを返してくるが、奴の目はちっとも笑っちゃいない。
「まぁ教えてやってもいいけどね。ていうかわかってるんだろう?」
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