第04章

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それから何分が経ったのか。 ようやく涙が止まった俺の隣で、会長はこちらをじっと見つめてきた。 何か言われるのかと黙っていたが、数分経っても口を開く気配を見せない会長に痺れを切らせ、ちらっと視線を送る。 「…俺、よく分かんないです」 「何がだ」 「会長が」 そう言えば、形の良い眉が少し潜められる。 「俺の何が分からないんだ」 「なんでこんなに…その…」 「…『優しくするのか』?」 言いたかったことを見事に言い当てられ、なんだか頷くのも気恥ずかしかった俺は沈黙を決め込む。 その無言を肯定と捉えてくれたようで、会長は口角を上げた。 「お前のことが好きだからな」 「は…、いやまだ会ってそんなに経ってないし…」 「時間なんて関係ないだろう。  言っとくがな、この俺様だって色々考えたんだ。そのせいで3週間もお前に会えなかった」 「そんな理由だったんすか………」 ここ3週間生徒会との接触がなかったから、興味が失せてくれたものだと思っていたのだが、どうやらそれは俺の願望に過ぎなかったようだ。 おい誰か、俺の至福の時間返せ。 「…まぁ仮に、もし、もしも、もしかして、会長が俺のこと好きだとして。  普通、好きな奴が失恋してたら嬉しいんじゃ」 表面上心配するのは簡単だし、好きな相手が失恋していたらチャンスだし、優しくするのが当たり前だとは思う。 けれど会長の顔は、本当に辛そうに歪められていたから。 …なんでだよ。 「…お前、バカだろう」 「は?」 .
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