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「はーやとっ、もうすぐ文化祭だね~!」
「なんだと?」
編入から約1ヶ月が経過した10月始め。
目をきらきらさせたキョウの言葉を聞き返すと、聞いてなかったの?とブラック恭様が君臨なされようとしたから慌てて首を振った。
「颯人は転入してきたのがつい1ヶ月前ぐらいだし、違和感あるってことじゃね?」
「そうそれ!琉衣ナイス!」
フォローしてくれた琉衣に満面の笑みでぐっと親指を立て、キョウに向き直る。
「つまり、そうゆうことだ」
「まぁ確かにそっかぁ
今年はうちのクラス何やるのかな?」
「クラスで何かやんの?」
俺の質問に、うんと頷くキョウ。
キョウの説明によると、ここ讃伽学園の文化祭では中学からは各学年で1つずつ、高校からは各クラスごとに出し物をやることになっているらしい。
ジャンルの指定や厳しい規則はなく、毎年王道ものから個性的なものまで種類は豊富。
おかげで文化祭の盛り上がり具合は尋常じゃないみたいだ。
「それで、ここが一番重要なんだけど」
ぎらり、とキョウの目が光った。ような気がした。
獲物の狙いを定めた獣みたいだ。
まぁキョウの容姿だと、獣と言っても猫だとは思うが。
「クラス参加の出し物には投票があってね」
「投票?」
「うん。
どこが一番良かったか、全校生徒と教師、それから外部の人たちが投票する。
その投票で見事1位となったクラスは…」
「クラスは…?」
思わせ振りなキョウの口調に無意識に身を乗り出してしまう。
内緒話じゃあるまいし、何してんだ俺。
そんな俺を見たからかどうなのか、キョウの口元がにやりと歪められた。
「1日授業免除。しかも外出解禁」
「ま…まじですか…!?」
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