第01章

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しかしもう少しだけでも抵抗するべきだったか…。 馬鹿でかい門を見上げて気が遠くなったところで、危うくどこかへ飛びかけていた頭をぶんぶん振った。 改めて門を見つめる。 ………どこから入れと? 大きさと同様セキュリティも凄まじいようで、試しに押したり引いたりしてみてもやはり門はびくりともしない。 「マジこれどうすんの。  …………蹴るか」 やけくそになって門を蹴る。 ――否、蹴ろうとした。 「お?編入早々、校舎破壊か?」 「!?」 突然かけられた声に、上げた足をその場でぴたりと止める。 どうするか考えた後、その足をどうすることも出来ず、俺は片足を上げたまま振り向くという何とも間抜けな格好になってしまった。 「………あ、どうも」 「なんで足下ろさないんだ?」 つっこまないでくれよ……! 空気読め、という意味を込めてキッと睨み付ける。 …はずだった。 「……………」 その顔を見て、俺は思わず言葉を失った。 え、何この美形。 てか美形どころの騒ぎじゃねーぞ…… 染めた訳ではなさそうな栗色の髪は、襟足を洒落たカットが施されていて。 二重瞼の瞳は爽やかにきらきらと光っていて、なんだかこちらまで清々しい気分になりそうだ。 「…い、おーい?聞いてるか?」 「え?あ、ごめん。聞いてなかった」 「聞いとけよー!同室者が来るって言うからせっかく迎えにきてやったのに!」 「悪ぃ、悪ぃ。………ん?同室者?」 .
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