第01章

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聞き返す俺に、そいつはニヤリと口を歪めた。 さすが美形、様になる。 「そ。今日からお前の同室者になる、風間琉衣。よろしくな!」 「そうだったのか。俺は神崎颯人。迎えにきてくれてサンキュ。これからよろしく、えーと、琉衣でいいか?」 つられてニカッと笑顔を向ける。 「……っ!?」 「?え、どした?あ、ごめん、もしかして呼び捨てが嫌な人種だった…?」 「い、いや、違う、そうじゃない!呼び捨てでいい!というかむしろ呼び捨てで!」 「なら良かった。んじゃ、俺も颯人って呼んでくれな?」 「あ、ああ、……よし、行くぞ!」 「え?あ、おう」 随分忙しい奴だが、とりあえず同室者が良い人で良かったと無意識に頬が緩む。 すたすた歩き始めてしまった琉衣を、俺は少し慌てて追い掛けた。 .
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