~始まり・会~

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時は少しさかのぼりますが 今でも思い出せば涙があふれてしまう そんな忘れられないあの日の出来事をちょっとだけお話しましょう ―――ある日 母は私に音楽を 聴かせてくれました 自慢げに微笑みながら 一度聞いたら忘れられそうもない穏やかな声で 母「この曲は、母さんが作ったんだよ」 泰介「すげー!母さんやるなぁ」 そう言って母は何度も何度も聴かせてくれた 泰介「他に曲は作ってないの?」 母「あるけど・・・自信ないし、これがお気に入りなの」 泰介「聴かせてよ」 母「ダメ」 泰介「いいじゃん」 母「ダメ!泰介が大人になったらね」 泰介「ちぇ~っ!」 母「うふふっ」 幼いながらどうして聴かせてもらえないかと悩んでたっけな 今なら理解出来る そんな気がします
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