序章

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待ち合わせ場所に着くと早紀が不機嫌そうに立っていた。 「ごめん早紀。」 早紀はそっぽを向いたままだ。 「なんでもおごるから。機嫌なおしてや。」 早紀は俺を見つめると、ニコッと笑った。 「イチゴパフェがいい。」 「わかった。いいで。」 早紀の笑顔に少しホッとする。 よかった。 機嫌治ったやん。 それから俺は携帯を取り出すと早紀が行きたがってたジブリ映画がやってる映画館を調べた。 どうやら14時30分からやっているらしい。 「映画見に行くか?」 早紀は頬を膨らませると 「もう終わっちゃたよ。ねぼすけ。」 と言って俺の肩を軽く叩いた。 「まだ14時なら間に合うやん。いかへんの?」 俺の問い掛けに早紀の目はパァッと輝く。 「そうなの?いく。」 こいつのこういうとこ、本当にかわいいな。 俺はそう思うと早紀の頭を軽く撫でた。
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