激麟

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降りさかる雨の中 大きな大きな音が響いた 嵐の中で大きな 竜の声が響いた 僕らの毎日はまるで 嵐のように激しくて そんな毎日を見ていて 竜のようだと思った 激流のように去りゆく毎日は 竜のように雄叫びをあげ 全てを暗闇の中に包み込んだ。 大切な人を守り切れずにいて、 次は守ろうと誓った でも力だけを使って進む前には 暗闇しかなくて 前に手を伸ばしても 何も掴めなくて そんな僕らの心は 激麟のように 荒れていた 風が吹いて髪が靡いた 空を見てもただ曇っているだけで 僕は激しく荒れ狂う 心の奥底で 竜の雄叫びが聞こえた気がした  
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