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エリシル 「…ふふっ、『行ってらっしゃい』って声を掛けてあげなくて いいの?」 阿瀬斗 「いいんだよ、あんな奴」 エリシル 「本当はそんな事思ってないのに、素直じゃないのねぇー」 阿瀬斗 「……っ!!うるさい! 生まれたばかりの人形のくせに 知ったような口叩くなッ」 エリシル 「っ、酷いわ。私は貴方から 身体と心を貰ったんだもの。 …主人のことを知っていても 可笑しくないはずじゃない」 阿瀬斗 「……悪い。」 エリシル 「うん、今のは素直で宜しい♪」 阿瀬斗N 「姉さんは今回特に長い 引きこもりを気にしている らしいが、俺はその間に 一体の最高傑作を完成させた。 失敗続きで中々動いてくれず、 本当にただの人形しか作れずに いたけど、ようやく人間らしい 少女を作ることに成功した」 エリシル 「…?なぁーに?じろじろ見て。」 阿瀬斗 「いや、よく俺がこんなに 感情豊かな人形を作れたなって」 エリシル 「やだー阿瀬斗ってば! 心を入れる入魂は阿瀬斗の 得意な術(ワザ)でしょっ? 問題なのはパーツじゃないっ! それが未熟で今までの子達は 動かなかったんだしーっ」 阿瀬斗 「笑顔で人が気にしてる所を 抉ってくるな、お前は…」 エリシル 「えへへ、うそうそ♪ 私だってまだ戦ってみたいと 丈夫に出来てるか解らないし!」 阿瀬斗 「ああ…そうだな。 せつなも仕事行ったことだし、 ちょっとコンビニでも行くか」 エリシル 「ええーっ!もっと色々なものが売ってるとこに行こうよ!」 阿瀬斗 「却下。コンビニ以外の そこら辺の店は近所の おばちゃん達と遭遇しやすい からな。」 エリシル 「同級生よりおばちゃん達を 気にしてるなんて変なのー」 阿瀬斗N 「ただ俺は、お喋り好きの 知り合いに会って姉さんに 外で見かけたと言われたら 嫌だったから避けているだけ だった。 こうして外へ出たけど、 俺達はまだ知らずにいた。 主催者の気まぐれで、 もう大会が始まっているなんて―――…」
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