新学期

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ふわふわとした印象。身長は160㎝届かず、髪は綺麗な茶色、長さは背中の真ん中あたりまで。眼鏡をかけており、真面目そうな印象である。 そんな真面目そうな少女は、あまりいい雰囲気をだしていなかった。 「はぁ……。やだなぁ……」 少女、彩音疾風(さいね・しふう)はため息をついた。彼女は、今向っている学校、私立桜凛中学校の二年生で、新学期を向かえていた。 そんな喜ばしい時期に、朝からため息をつく疾風。 その後ろから、疾風とは真逆のテンションの人が駈けてきた。 「おっはよー!朝から元気ないね、疾風どーしたの?」 疾風に朝からハイテンションで話し掛ける同じ二年生の少女、初宮鏡歌(ういのみや・きょうか)は不思議そうに疾風に問う。 彼女は疾風の幼なじみで、幼稚園から同じだ。 そんな鏡歌の声でも疾風の憂鬱は消えない。 「当たり前だよ……。今日は入学式だから、私、みんなの前で話さなきゃいけないんだよ?」 「そっか、疾風、生徒会長だもんねー。いいじゃん、名誉だよ、名誉っ!」 そう、疾風は凛中の生徒会長をしている。 確かに名誉なのだが、疾風は何故か暗かった。image=372861971.jpg
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