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それと同時に部屋の扉がバタンと開き、一人の少女が入ってきた。
「お兄ちゃん!? どうしたの!?」
そういって部屋に入ってきたのは僕の妹、花菜(かな)。
「な、なんでもないよ。ただ突如として大声を出してみたくなったっていうか何て言うか・・・」
「いいや、今のは女の子の声だった! お兄ちゃん、まさか女の子を無断で部屋に連れ込むなんてことしてないでしょうねぇ?」
花菜がうたぐり深い目で僕を見つめる。
「し、してないよ・・・」
そう答えるが、いっこうに疑いは晴れない。
「うぅ~ん。隠れるなら、布団の中とかベットの下とかだよねぇ? あとクローゼット」
花菜はクローゼットを開け、中を調べてから・ベットの下も入念に調べる。ちなみにエロ本の類は僕の部屋にはありません。ギャルゲー(全年齢推奨版)と、同人誌さえあれば十分です。ちなみにそれらも全てPCにインストール済み、パッケージは押し入れの中にしまってあります。
そして、最後に布団に手をかける
「ち、ちょっと待って」
僕はそういって、布団を握る花菜の手を掴む。
「っっ!?」
すると、花菜は素早く手を引っ込めた。
僕が驚き花菜を見ると、花菜は顔を少々赤くして、僕の触った手首を撫でていた。
「な、なに?」
明らかに挙動不審だ。
あれ? 僕なんか嫌われるようなことした?
「え、あ、え~っと。その・・・」
しまった! とっさに止めたけど、言い訳を考えてなかった!!
ど、どうしよう・・・。今のココアを見られたら、見知らぬ女の子を無断で部屋に連れ込だってことになって、家族会議ものだよぅ・・・。ココアだって言っても信じてもらえないだろうし・・・。そ、そうだ!
「あのね、布団の中でココアが寝てるんだ。起こさないであげて?」
ど、どうだ?
「そ、そう。わ、わかった」
花菜はそういうと、ギコギコ音がしそうな足取りで部屋を出て行った。
「ふぅ。なんとかごまかせたみたいだね。ココア」
僕が安堵の息を出すと、
「ニャー」
リアルな猫の鳴き声。
振り返り布団を見ると、モソモソと猫の姿のココアが出てきた。
「あ、あれ?」
あれ? 元に戻ってる? なんで?
僕が首を傾げると、ココアも首を傾げる。そして、自分の体を見回し、
「ニャ!?」
と可愛く驚いた。
そのあと、僕になにか話し掛けて来るが、猫の言葉は僕にはわからない。
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