雨の香り

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学校に着いて自分のクラスに向かう秦と結。 授業が始まるまで結は秦の席の横に立って秦と談笑するのが日課になっている。 一緒に登校しない日もそうだ、結は自分の席に荷物を置くと必ずといって良いほど秦の席にやって来るのだ。 「緋月君、今日の放課後って暇かな?」 「特に、用事は無いけど?」 他愛の無い会話だ、秦も別に結の事が嫌いな訳ではない。 むしろ親しくしてくれる事には感謝しているくらいだ。 チャイムが鳴る頃には結は自分の席に帰る。 「なあ緋月、お前らって付き合ってんの?」 結が席に帰るタイミングを見計らってか、秦の座る席の後ろから声が聞こえた。 秦の数少ない友達と呼べる人間の1人だ。 「いや、付き合ってるわけじゃないよ優也(ゆうや)」 「でも噂になってるぜ? 2人が付き合ってるって」 「そう……美奈希さんに迷惑が掛からなきゃ良いんだけどね」
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