雨の香り

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午前の授業を終えた秦。昼飯の時間、秦は購買部で買ったサンドイッチとコーヒー牛乳を手に、校舎の屋上へと向かった。 教室と違って静かなこの場所が秦は好きだった。 人がいない訳ではない。 秦と同じように屋上で昼食をとろうと、少なくとも十数名は生徒が屋上にいる。 秦と違うのは皆それぞれグループを作って昼食を食べ、談笑しているのだ。 そんなグループを横目に秦は屋上の端に1人腰を下ろす。 談笑するグループから少し離れているだけだが、そこは心地良い静けさに包まれていた。 秦のお気に入りの場所だ。
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