動き出す歯車

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秦が胸にナイフを刺した時点で水の杭が崩れていた。 コレは既に人として死を迎えていたからだろう。 秦は流の胸に刺したナイフを抜くことなく下へと振った。 鋭利なナイフの刃とナイフに掛かった魔術が流の細胞を殺していく。 それはまるで豆腐でも切るかのような感触で、人の皮膚とは思えない程容易に切り裂けた。 切った箇所から血が吹き出し、秦のブレザーを赤く染めていく。 そん中でも秦は解体を止めなかった。 崩れ落ちる流の体を横一閃に斬りつける。 本来ならコレで胴体が泣き別れする事はないが、秦の持つナイフは違う。 細胞を殺したと言うことは、人体という人間としての形を殺すに値する。 秦のナイフが皮膚に食い込んだ時点で細胞レベルで分解が始まるのだ。 コレなら全長30㎝程度のナイフでも容易に皮を裂き、肉を切り、骨を絶つ事が出来る訳だ。
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