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俺の戯れ言を流し、ツンと弁当に手を付ける つー。
俺はふとからかいたくなった。
「ああ見えてもね、照れてるんだよ」
「オカーヒャン テレテルー」
スパッと顔の横を通過する包丁。
そして顔の左半分の毛が消え去った。
「ヒジョウニナマイキナ ソラミミガキコエテキタキガスルナ。 モウイチド イッテミロ」
「そ、それを照れてるって言うの。ツーチャン!?」
「アヒャヒャヒャ。 ウルセェ!ケダマ!」
無限の包丁が空を翔る。
舞い散るフサ毛、溢れる涙。
ああ、今日もなんて事のない。
喧騒だけどとても温かいいつも通りの日。
この日々は毎日、小さな変化を残しながら螺旋のように回っていく。
その微かな変化を楽しみながら、また明日を生きる。
明日もまた当たり前のように幸せは続くと思っていたんだ。
………つー が目の前から消えるまでは。
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