房津

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ひょんなことから三人で暮らすことになりました。 そんなワンフレーズでオレの日常は崩壊した。 オレの名前はフッサール。 労働に勤しむ安月給のただの長毛種。 『セキニンヲトレ』 オレと同じ毛の長い子供を連れて、アイツはやってきた。 アイツが来たその日から、 寝室のベッドの所有権も、お酒も夜遊びも、何年も付き合い続けた彼女との仲も全てが崩れ落ちた。 押し掛けてきた奴は昔の高校の同期。 しかも、性別不明ときてる。 なぜ不明? 答えは単純 分からないからだ。 容姿は整ってはいるがホントに中間、意外にも手料理はするが、口が悪く、まな板で、そして……かなり乱暴で。 そいつの名前は つー と言った。 体の特徴は家系の遺伝らしい、しかも家族の中でも性別を隠す一族の生まれだ。 家族ですら知らないのに他人が男か女か区別できる訳ないだろう。 ―――だから、不明なんだ。  
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