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死球の応急処置に、昼時の休憩を兼ねて、シートを広げてその上に三人で座った。
朝に皆で作ったお弁当。
気持ちの良い空の下で食べるのは心地よく、味をいっそうに引き立てているようだ。
ああ、口内の傷がなければ、よりいっそうだったろうに。
急に、背丈のない草木ばかりの河川敷に大きな影が日の光を遮った。
雲にしては濃すぎる影。
不思議に思って、三人揃って上を見上げた。
空にはまるでぽっかりと、黒い穴を開くように月が太陽に重なって、浮かんでいた。
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