房津

9/10
前へ
/18ページ
次へ
まだ半分くらいしか重なっていないのに、それでも辺りは明らかに暗くなっていた。 そして残る部分もどんどん遮られて、隅から徐々に黒く蝕まれていく。 「日蝕か……確かそんな話、ニュースでなかっかたような」 「………………」 つーは表情を出さずに、ただ空を見上げていた。 「ドウシタノ? オカーヒャン?」 「ナンデモネエ。 ユウハンハ フーノダイスキナハンバーグデイイカ?」 「ワ――イ!」 「ツーチャン、気が早すぎない?まだ昼だよ。 ていうか、ハンバーグって確か二日連続じゃ……」 「モンクアルカ?」 喉元に包丁を突きつけられる。 若干首の毛が数本落ちた。 「………ぜんぜん無いから」 どんなにたっても、色々あっても、 攻撃の対象と言うポジションは不動の物になっている。 でも、非暴力的なツーチャンはかえって不気味だから。 これはこれでいいと思う。  
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加