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息も切れ切れになるまで光秀を蹴り続けた信長が刀を抜くに至って家康が間に入り仲裁する。
信長は肩で息をしながら、既に動かなくなった光秀を見下ろし叫んだ。
「饗応役の任を解く! 屋敷で蟄居しておれ!!」
まだ怒りが収まらないのか、更に光秀の頭を蹴り上げドタドタと足音を響かせ去って行った。
家康達が信長をなだめる様に、その後ろに続く。
この騒ぎに動揺しヲタヲタする小姓達。
一人残された光秀はうつ伏せの姿勢のまま躰を震わせていた。
光秀を心配した小姓が光秀に近づいては来るが、光秀の様子に驚き離れていく。
光秀は眼を血走らせ、額に血管を浮き上がらせ、血が滲むほど拳を強く握り締めていたのだ。
光秀の表情から見て取れるのは狂気───いや、よくよく見れば狂喜である事に気付いたであろう。
『お…大殿ーっ! も…もっと……♪』
光秀は信長に蹴りまくられた肉と骨からくる鋭くも鈍い痛みに、躰が痙攣するくらいの快感に支配されていたのである。
そう!
光秀はMだったのだ!!
それも生半可なMではなく、真性のドMであった!!
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