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私達の場合。
毎日飽きずに一緒に居たかと思えば
男は急に音信不通。
ただ学年は違うけど
学校は同じだったから
どうしても、校内で顔は合わせる事になる。
よく、休み時間に
喫煙室を利用する。
そこで私が彼を見かける時は決まって同じ女と一緒に居る……。
(ああ、あの子に気が向いたんだ。)
心の中で思いながら
私は目も合わせられず
わざと同じ学年の男と仲良く見せたり
鳴りもしない携帯を開き、誰かにメールを打つフリをする。
付き合ってると言う
形も言葉も交わしていなかった私には
責める権利も勇気もなかった。
そんな惨めな私は
その場からまた逃げるしか出来ない。
部屋を出るときは、なるべく彼が視界に入らない様に俯きながらドアを開ける事で、精一杯だった。
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