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彼は、学校に行っている間私を束縛した。
『家で寝てろよ』
まだ、彼の家に泊まり続けている私は
一人で帰る事もできない。
車はあったけれど
彼が私の車で学校に行っていた。
私を自由にさせない為に。
彼の帰りを
ひたすら待ち続けた。
時計ばかり気にするが
さっきから長針も短針も
同じところで
止まったまま。
(壊れてるのか?)
時計を手に取り
耳を近付けると
カチカチ…
としっかり鳴らしていた。
『はぁ……』
健気に待ち続ける私を
これ程可愛い女だったかと問いかけ
これ程バカだったかと
自問自答を繰り返す。
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