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何も感じていない
フリをして
鍵を受け取り
教室をでる。
胸が締め付けられて
涙が出そうな自分に
(まだ泣いたら駄目だ)
言い聞かせて
全力で階段をかけ降りた。
下で待っていたしおりの
車庫の低い車に乗り込み
『駐車場…』
その一言を伝えるのが
精一杯だった。
「大丈夫?何かあった?」
しおりのいつもの言葉。
"大丈夫? 何かあった?"
この言葉に
何度助けられたか。
途端に涙が溢れだした。
我慢していたからか
今まで出した事もないような泣き声で、"わんわん"泣いた。
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