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『今日から宜しくね?』
昼間2人で研修を終え
夜も2人で店に入る。
『これ、あたしの彼氏。
初めてだよね?』
カウンター越しに立つ
勇太を紹介する。
勇太は、相変わらずの
外面の良さを発揮して
ニコっと笑顔を見せる。
「宜しくお願いします」
……私にとってその勇太の笑顔は
勇太を嫌いだと思う瞬間でもあった。
「宜しくねぇ…」
自称人見知りの早苗は、勇太の顔を伺う様に挨拶をした。
1日の仕事を終え、私と早苗は
お茶をして帰る事にした。
「彼氏かっこいいねぇ~」
『そんな事ないっしょ?
酒癖も女癖も良くないし』
「女癖も?」
『そうだよ。学校の子とか、ナンパとか。凄いよ?』
そんな会話を平気そうに話す私を
早苗はバカだと思っているだろうか……。
それだけが気になっていたが
顔を見る事もできなかった。
私には全く余裕がない……
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